
「ホームページを作りたいけど、いくらかかるのか見当がつかない」「50万円以下で本当に成果が出るのか不安」
広島で不動産会社を経営されている方から、こうした相談をよくいただきます。
結論からお伝えすると、50万円以下でも「成果が出るホームページ」は十分に作れます。
ただし、何でもできるわけではありません。予算内で最大の効果を出すには、「何を削って、何に投資するか」の判断が重要です。
この記事では、不動産会社のホームページ制作費用の相場から、50万円以下で実現可能な機能、そして失敗しない発注手順まで、広島の中小企業経営者の視点で解説します。
この記事の結論
- 不動産ホームページの費用相場は中央値51.5万円、49%が50万円以下で制作している
- 50万円以下でも10〜15ページのサイト+基本SEO対策は実現可能
- IT導入補助金を活用すれば実質25〜30万円で制作できるケースがある
不動産会社がホームページを持つべき理由
ポータルサイト依存から脱却し、自社で見込み客を獲得できる仕組みを作るためです。
SUUMO、HOME’S、アットホーム——不動産ポータルサイトへの掲載費用は、年間で数十万円から数百万円になることも珍しくありません。
しかも、同じ物件が何十社も並ぶ中で、御社が選ばれる保証はどこにもない。
一方、自社ホームページがあれば「〇〇市 不動産」「〇〇駅 賃貸」といった地域名+業種の検索で上位表示を狙えます。
ポータルサイトと違って競合は地域の同業者だけ。広告費をかけずに見込み客を獲得できる可能性が生まれます。
中小企業庁の2025年版中小企業白書でも、デジタル化に取り組む企業のうち「自社ホームページの作成・更新」が最優先項目として位置付けられています。
「名刺代わり」ではなく「集客ツール」として、ホームページを持つ時代に変わっているのです。
不動産ホームページの費用相場を徹底解説
業界の中央値は51.5万円。49%の企業が50万円以下で制作しています。
制作タイプ別の費用目安
テンプレート型・オリジナル型・CMS型で費用は大きく異なります。
| 制作タイプ | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| テンプレート型 | 10〜30万円 | 既存デザインをカスタマイズ。短納期・低コスト |
| CMS型(WordPress等) | 30〜80万円 | 自社で更新可能。中長期運用に向く |
| オリジナル型 | 80〜200万円以上 | 完全オーダーメイド。ブランディング重視 |
| 物件連動システム付き | 100〜300万円以上 | 不動産ポータルとのデータ連携機能あり |
ある調査によると、不動産会社のホームページ制作費用は平均値106.3万円ですが、中央値は51.5万円。つまり、半数近くの会社は50万円以下で制作しているのです。
見落としがちな「月額運用費」の存在
初期費用だけでなく、月額5,000円〜3万円の保守費用が継続的に発生します。
ここが盲点になりやすいポイント。初期費用30万円でも、月額2万円の保守費用がかかれば、3年間の総額は30万円+72万円=102万円。一方、初期費用50万円で月額5,000円なら、3年間で50万円+18万円=68万円。
「初期費用が安い」だけで選ぶと、長期的には割高になるケースがあります。見積もりを取る際は、必ず「3年間の総額」で比較してください。
月額制ホームページの損益分岐点や契約前のチェックポイントについては、月額制ホームページのメリットと契約前チェック10項目【開業1年目向け】で詳しく解説しています。
50万円以下で実現可能な機能とは
10〜15ページのコーポレートサイトに基本的なSEO対策を施すことが現実的なラインです。
50万円で「できること」リスト
- トップページ+下層10〜15ページ程度のサイト構成
- スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)
- お問い合わせフォーム
- LINE公式アカウントへの登録ボタン
- 基本的なSEO対策(タイトル・メタディスクリプション設定)
- Googleマップ埋め込み
- ブログ更新機能(WordPress等のCMS導入)
- SSL証明書(https化)
50万円では「難しいこと」リスト
- 不動産ポータルサイトとの物件データ自動連動
- 高度な物件検索システム(条件絞り込み機能など)
- 顧客管理システム(CRM)との統合
- オリジナルの360度パノラマ撮影・VR内見機能
- 複雑なアニメーションやインタラクティブ機能
ここで重要なのは、「物件連動システムがなくても集客はできる」という事実です。
確かに、リアルタイムで物件情報が更新される仕組みは便利。
でも、初期投資が100万円以上かかるシステムを、まだホームページからの問い合わせがゼロの段階で導入する必要があるでしょうか?
まずは50万円以下のサイトで問い合わせを獲得し、売上が立ってから機能を拡張する——この順序が、中小企業にとっては現実的な選択肢です。
失敗しない制作会社選びの5つのチェックポイント
「安さだけで選んだ結果、追加費用が膨らんだ」という失敗は、5つのチェックで防げます。
1. 不動産業界の制作実績があるか
不動産特有の法規制(宅建業法・不動産広告規制)を理解しているかが分かれ目です。
不動産広告には「おとり広告の禁止」「取引態様の明示」など、業界特有のルールがあります。これを知らない制作会社に依頼すると、公開後に修正が発生し、追加費用がかかることも。
実績を確認する際は、「制作したサイトのURL」と「どのような機能を実装したか」を具体的に聞いてください。
2. 見積書の内訳が明確か
「一式○○万円」という見積もりは、後から追加費用が発生するリスクが高いです。
確認すべき項目は以下のとおりです。
- デザイン費(トップページ・下層ページ別)
- コーディング費
- CMS構築費
- お問い合わせフォーム設置費
- 写真撮影費(必要な場合)
- 原稿作成費(ライティング込みか別途か)
- 修正回数の上限
3. 月額費用と契約期間の縛り
「初期費用0円・月額1万円」のプランに、5年縛りがついていないか確認を。
月額1万円×60ヶ月=24万円。初期費用がない分、総額は抑えられますが、途中解約できない契約になっているケースがあります。「解約時の違約金」「最低契約期間」は必ず確認してください。
4. 公開後のサポート体制
「作って終わり」の会社と「育てる」会社では、1年後の成果が全く違います。
確認すべきサポート内容は以下です。
- 公開後の修正対応(有償・無償の範囲)
- アクセス解析レポートの有無
- SEO対策のアドバイス
- セキュリティアップデート
- 問い合わせへの対応スピード
5. 担当者との相性
ホームページ制作は、打ち合わせから納品まで1〜4ヶ月かかる長期プロジェクトです。
「専門用語ばかりで話が分からない」「質問へのレスポンスが遅い」——こうした小さなストレスが、プロジェクト全体の品質を下げます。
初回の打ち合わせで、「こちらの業界や状況を理解しようとしてくれているか」を感じ取ってください。相見積もりを3社以上取ることで、担当者の質の差も見えてきます。
ホームページ発注の実践手順
準備→見積→契約→納品の4ステップを押さえれば、スムーズに進められます。
ステップ1:目的と予算を明確にする(1〜2週間)
「なぜホームページを作るのか」を言語化できていないと、制作会社に丸投げになります。
以下の3つを最低限決めておいてください。
- 目的:問い合わせを増やしたい/採用応募を増やしたい/会社の信頼感を上げたい
- 予算:初期費用の上限と、月額で払える金額
- 納期:いつまでに公開したいか(繁忙期前など)
ステップ2:制作会社をリストアップし、見積を依頼(2〜3週間)
最低3社から見積を取り、「総額」と「何が含まれるか」を比較します。
見積依頼時に伝えるべき情報は以下です。
- 会社概要と事業内容
- ホームページの目的
- 希望するページ数・機能
- 参考にしたいサイト(2〜3つ)
- 予算の目安
- 希望納期
これらを事前にまとめておくと、見積の精度が上がります。逆に、曖昧な依頼をすると「とりあえず高めに出しておく」見積もりが返ってきます。
ステップ3:契約前の最終確認(1週間)
契約書にサインする前に、以下の項目を必ず確認してください。
- 著作権の帰属(サイトの所有権は誰にあるか)
- ドメイン・サーバーの契約名義
- 途中解約時の条件
- 修正回数の上限
- 納品後の保守費用
特に「ドメイン・サーバーの名義」は要注意。制作会社名義になっていると、将来会社を変えたいときに移管できない(または高額な移管費用がかかる)ケースがあります。
ステップ4:制作〜納品(1〜3ヶ月)
制作期間中は、レスポンスの速さが品質を左右します。
制作会社から「原稿を送ってください」「写真を選んでください」と依頼が来たら、できるだけ早く対応を。御社の対応が遅れると、その分だけ納期が後ろ倒しになります。
また、デザイン確認の段階で「なんとなく違う」と感じたら、遠慮せずに伝えてください。コーディング後の大幅な修正は追加費用の原因になります。
補助金・助成金で費用を圧縮する方法
ホームページ制作費そのものは補助対象外ですが、関連する制度を上手に使えば実質負担を減らせます。
IT導入補助金について
IT導入補助金はソフトウェア・ITツールが対象であり、ホームページ制作費・デザイン費は補助対象外です。
「IT導入補助金でホームページが半額に」という情報を見かけることがありますが、これは誤りです。IT導入補助金の対象はCRM・受発注システム・会計ソフトなどのITツールであり、制作費・コーディング費・デザイン費は対象になりません。
ただし、WordPressなどのCMSを「ITツール」として申請できるケースはあります。詳細は中小企業庁のIT導入補助金公式サイトで最新情報を確認してください。
使える可能性がある制度
「小規模事業者持続化補助金」は広報費としてホームページ制作費が対象になるケースがあります。
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓のための費用を補助する制度です。
ホームページ制作費が「広報費」として認められる場合があり、補助上限50万円・補助率2/3です。ただし要件や対象範囲は年度・申請枠によって変わるため、商工会議所の窓口に相談してください。
広島の独自支援制度
時期によっては広島商工会議所や各市町村でも独自の補助制度が設けられることがあります。募集時期・条件は年度ごとに異なるため、まずは広島商工会議所の経営相談窓口に問い合わせるのが最も確実です。
成果を出すための「公開後の運用戦略」
ホームページは「作って終わり」ではなく「公開してからがスタート」です。
総務省の令和3年版情報通信白書(2026年4月時点)によると、約7割の中小企業がデジタル化を実施していない状況が示されています。逆に言えば、ホームページを持ち、適切に運用するだけで競合との差別化につながるのです。
最低限続けるべき3つのこと
ブログ更新・Googleビジネスプロフィール・アクセス解析の3点セットが基本です。
1. ブログの定期更新
「〇〇市 不動産」で上位表示を狙うなら、地域に関する記事を継続的に発信することが効果的です。月2〜4本のペースで、地域の暮らし情報や物件選びのコツを発信しましょう。
2. Googleビジネスプロフィールの活用
「〇〇市 不動産」で検索すると、検索結果の上部にマップと店舗情報が表示されます。これがGoogleビジネスプロフィール。写真の投稿や口コミへの返信を継続することで、地域検索での露出が高まります。
飲食店向けの記事ですが、MEO対策の具体的なやり方は【広島の飲食店向け】MEO対策のやり方|写真・投稿・口コミ返信テンプレ付きが参考になります。
3. アクセス解析の定点観測
Google Analyticsで「どのページがよく見られているか」「どこから流入しているか」を月1回確認。数字を見る習慣をつけるだけで、改善のヒントが見えてきます。
Web広告との組み合わせ
SEOで上位表示されるまでの「つなぎ」として、Web広告は有効です。
ホームページを公開しても、すぐに検索上位に表示されるわけではありません。SEOの効果が出るまでには3〜6ヶ月かかることも。その間の集客手段として、GoogleリスティングやMeta広告(Facebook・Instagram)を活用する方法があります。
月3万円程度の少額からでも始められるため、「まずは問い合わせを獲得する」という目的には最適です。詳しくはBtoB集客3つの鉄則!Webサイトが「ただの名刺代わり」になっていませんか?もあわせてご覧ください。
不動産専門会社 vs 地域密着Web制作会社の使い分け
「物件連動システムが必要か」「地域でのサポートを重視するか」で選び分けましょう。
不動産専門のホームページ制作会社
物件データの自動連携や業界特化の機能が必要なら、専門会社が適しています。
メリットは、不動産ポータルサイトとのデータ連携、物件検索システム、顧客管理機能など、業界特有のニーズに対応できること。デメリットは、費用が高め(100万円〜)になりやすく、サポートが都市圏中心の会社が多いことです。
地域密着型のWeb制作会社
対面での打ち合わせや、公開後の細やかなサポートを重視するなら、地域の会社が向いています。
メリットは、地域の商習慣を理解していること、トラブル時に直接会って相談できること、Web広告やSNS運用など周辺サービスと組み合わせやすいこと。デメリットは、高度な物件連動システムは対応外の場合があることです。
50万円以下の予算で「まずは集客の入り口を作りたい」という段階であれば、地域密着型の会社で十分対応可能です。物件連動システムは、問い合わせが増えて業務効率化が必要になってから検討しても遅くありません
まとめ:50万円以下でも成果は出せる
最後に、この記事のポイントを整理します。
費用について
不動産ホームページの中央値は51.5万円。テンプレート型・CMS型なら50万円以下でも10〜15ページ+基本SEO対策は十分実現できます。ただし初期費用だけでなく、月額保守費用を含めた「3年間の総額」で比較することが重要です。
補助金について
IT導入補助金はホームページ制作費そのものは対象外です。「小規模事業者持続化補助金」の広報費枠や、広島県・市町村の独自制度を検討し、まずは商工会議所に相談してください。
制作会社選びについて
物件連動システムが必要な段階でなければ、地域密着型の制作会社で十分対応できます。見積は必ず3社以上取り、内訳が明確か・ドメイン名義はどこか・解約条件はどうかを確認してください。
公開後について
ホームページは公開してからがスタートです。ブログ月2〜4本・Googleビジネスプロフィールの更新・アクセス解析の定点観測を継続することで、半年〜1年後に成果が出始めます。
不動産会社のホームページ制作・運用について、広島でのご相談はローカスまでお気軽にどうぞ。月額制の「ゼロスタHP」はホームページ制作から更新サポートまでワンストップで対応しています。
この記事を書いた人
Masafumi Otsuka
2000年よりEC業界にてデジタルマーケティングの世界へ。
20年以上のキャリアの中で、多種多様な業種の事業成長を支援してきました。Google広告運用歴13年、Meta広告運用歴12年の実績に加え、Meta社認定「METAクリエイティブ戦略エキスパート」を保有。
データに基づく「数値改善」と、認定資格を活かした「売れるクリエイティブ戦略」の両面から、本気で成果にコミットします。
